サーフコンテスト舞台裏 – Coco Ho

昨日ブログを書き終わった後、ハレイワ戦の決勝の映像を見ていると、面白いものが目についた。 登場人物は、カリッサを追い2位にいた、世界チャンピオンでオーストラリア出身ののレーン・ビーチリー。そしてカリッサの親友で、ハワイ出身のココ・ホー。彼女は2世サーファーで、父はマイケル・ホーという偉大かつ現役のパイプラインサーファー。 ココはこの試合で勝てば、WCTという1軍に上がれる。WomenのWCTは15人しか枠がないため、かなり競争率が高いので、絶好のチャンス。 決勝終了1-2分前、4位にいたココはWCT昇進は無理だと気付くと、とっさに友達を守る行動に走った。 この時点で、2位のレーンは6.8そ獲得すれば、逆転優勝。ベテランの彼女には、手が届く得点。そして、試合終了直前にギリギリでいい波をGETした。 するとこの波に、ココは故意的にドロップイン(前のり)。世界レベルの女子プロ大会では結構ありえない・・・ 普通ならこういう場合、すぐに波から降りるのに、ココは後ろを見ながら、しかもレーンと目もあってるのに、堂々と乗り続けた。 ボトムまでおり、さらには1番いいセクションで、しかも、このベテランサーファーの目の前で、エアーを決めた。しかも、グラブレールという、かなり高度でスタイリッシュな技を目の前で披露。一応遠慮して、波の裏側に着地・・・・ 思わず自分の目を疑って、何回もリプレイ。何度見てもわざとやっている。 そしてその後のインタビューを聞くと、さすがベテランのレーンはこう言っていた。「ハワイアン・チームワークね。ハワイではこういうことが起こるのよ。」悔しいだろうに、さすがベテラン。受け止めていた。 私もこういうことはハワイでよく見るし、幾度と経験もある。何度も悔しい思いをした。でも、これもゲームの一環なのです。 私が今回すごいと思ったのは、ココのとっさの判断と、その友達への思い。どうしてもカリッサに勝っても欲しいと、ライバルでもある相手に素直に思える、その器量に驚いた。 ここでカリッサが勝てば、トリプルクラウンでの最年少優勝記録は取られてしまうのに、それに一役買うなんて、あの年齢ではしっかりしている。しかも、そのとっさの判断力、私には思いつかないと思う。 さらには、あの肝の座ってるサーフィン。さすが、マイケル・ホーの娘です・・・。 故意的なドロップインはスポーツマンシップには乗っ取っていないという人もいるかもしれない。けれど、ハワイではよく見るし、よく聞く。これもカルチャー。ハワイの伝統であるMalama Ainaの精神(お互いに面倒を見ること)から来てるのかな??? それにしてもハワイアンチームワークとは、的確な表現。レーンに座布団一枚。